認知の歪み

 「認知の歪み」(Cognitive distortion)とは誇張的で非合理的な思考パターンであり、これらは精神病理状態(とりわけ抑うつや不安)を永続化させうるとされている。

  1. スプリッティング (Splitting)
    全か無かの思考。 人間の思考において、自己と他者の肯定的特質と否定的特質の両方をあわせ、現実的に、全体として捉えることの失敗である。
  2. ~すべき思考 (Should statements)
    他人に対し、その人が直面しているケースに関係なく、彼らは道徳的に「すべきである」「しなければならない」と期待すること。
  3. 行き過ぎた一般化 (Overgeneralization)
    経験や根拠が不十分なまま早まった一般化を下す。
  4. 心のフィルター (Filtering)
    物事全体のうち、悪い部分のほうへ目が行ってしまい、良い部分が除外されてしまうこと。
  5. マイナス化思考 (Disqualifying the positive)
    上手くいったら「これはまぐれだ」と思い、上手くいかなかったら「やっぱりそうなんだ」と考える。
  6. 結論の飛躍 (Jumping to conclusions)
    主張を行う動機をネガティブなものであると推測する「動機の勘繰り」、 その主張を行った場合、ネガティブな結果となる事を予測する「予言」、 その主張を行う者にネガティブなレッテルを貼る「レッテル貼り」、 の三種類が存在する。
  7. 拡大解釈、過小解釈 (Magnification and minimization)
    失敗、弱み、脅威について、実際よりも過大に受け取ったり、一方で成功、強み、チャンスについて実際よりも過小に考えている。
  8. 感情の理由づけ (Emotional reasoning)
    単なる感情のみを根拠として、自分の考えが正しいと結論を下すこと。 感情移入が強くなると、「感情移入ギャップ」という現象が現れ、 「合理的な理由付け」ができなくなる傾向がある。
  9. レッテル貼り (Labeling)
    偶発性・外因性の出来事であるのに、それを誰かの人物像やこれまでの行動に帰属させて、ネガティブなレッテルを張ることである。 間違った認知により誤った人物像を創作してしまう。
  10. 個人化 (persionalization)
    自分がコントロールできないような結果が起こった時、それを自分の個人的責任として帰属させることである。
  11. 常に正しい (Always being right)
    自分が間違っている、などとは考えない。
  12. 批判 (Blaming)
    問題の責任の所在は他人の故意または不注意にあると批判する。
  13. 変化の錯誤 (Fallacy of change)
    他人を協力させるために社会的制裁に頼る。
  14. 公正さの錯誤 (Fallacy of fairness)
    「正義」でない行為への怒り。

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